菓子から知る丹波くり
直径1ミリの錦糸を重ねたようなモンブランが話題の「丹波くり・和栗専門 沙織~さをり~」、がJR京都伊勢丹の地下一階イートイン「菓子のTASHINAMI」に期間限定のショップを開いています。
元旅館を改装したという本店は行列ができると聞いて尻込みしていましたが、京都伊勢丹の方は順番が近づくとお知らせしてくれるシステムでした。
4月初頭に覗いてみたときは、京都の寺社が閉門する16時頃よりも前に訪れたせいか、4組待ち程度でした。
珈琲や和紅茶など様々なペアリングドリンクが選べますが、栗に合わせて同じく香ばしい日本茶が飲みたくて冷たいほうじ茶に。
契約農家から直接仕入れているという丹波くりは、国産栗の中でも生産量僅かに1%、京都で生産される「京丹波くり」は更に少なく希少なもの。
粒が大きく肉質が締まり、渋皮が剥がれにくく香り高いとされています。
独自に開発されたという機材で極細のペーストを絞り出す様を観たい人には、お店の人がわざわざ呼びに来てくれるのですが、これは単なるパフォーマンスではなく、その栗本来の旨味や香りを生かすためのもの。
出来上がりはかき氷くらいのインパクトですが、繊細な曲線がしっとりと絡み合うマロンペーストも、真ん中に埋もれたさくさくのメレンゲも軽い食感で、くどさや重さはありません。
カトラリーで頂く体裁ですが、栗らしいほっこりとした感触の残る素朴さは、人を幸せな気持ちにさせますね。
モンブランと言えばお酒がふんだんに使われている印象を持っていましたが、こちらは「栗以上に栗」。
余分に加える必要無いのでしょう。
夏は暑く秋冬は寒さの厳しいメリハリある盆地の気候が丹波の名物の霧を生み、豊かな風味を育みます。
平安時代から朝廷への献上品としても好まれていたという「丹波くり」。
秋を待って、丹波くりそのものも食べてみたくなりました。
JR京都伊勢丹の限定ショップは5月11日まで時間を変更して営業されているそうですが、8月上旬まで展開されているので、今すぐのお出かけが叶わなくてもご安心を。