e-kyoto「一言コラム」

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クリスタル・ジャパン

4月14

bowie
デヴィッド・ボウイについては、「有名なロック・アーティストで親日家であり、京都にも縁があるらしい」という知識しか持ち合わせていなかったのですが、ボウイが歩いた京都の写真に惹かれて展覧会を観てきました。

仏教にも深い関心があり、プライベートでも度々京都を訪れていたというボウイと約40数年間親交を持っていた写真家・鋤田正義氏が、まるで京都の街の一部のように歩いたボウイの姿を収めた写真展です。

電車の切符を買ったり、古川町商店街で鰻を選んだり、電話ボックスの中で受話器を取ったり(一体誰と話す?)。
ボウイと鋤田氏が好んでシャッターを切ったのは、どこも京都の有名観光地というより、そこからちょっと寄り道したような、地元の人の生活が息づく場所ばかり。
撮影当時と同じ場所で再び撮った現代の街並み写真が並列され、何度も交互に見比べる人も多いはず。

暮らすように旅したいと思うのは、その土地を何度も訪れ愛する人なら自然なこと。
一見奇抜に見えるCDジャケット画像のかたわらには駅のホームの雑踏に身を置く姿や、スーツに身を包みこちらに真っ直ぐ澄んだ視線を送る肖像も。
西洋人による東洋文化趣味の域を越えて、日本文化や東洋思想、京都の街に対する敬愛の現れが結果として自らの音楽活動へのインスピレーションとなっていった事が伝わってきました。

インバウンド需要が爆発した数年前の京都、昨年の緊急事態宣言下の京都、そして再び賑わい始めた京都を、彼ならどう解釈するだろうか、そう感じた人は少なくないと思います。

2021年4月14日 | 芸能・アート

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