茶の湯の面白さとは?
1月21
今年は2カ所の初釜に参加しました。
片方は、初心者を主に対象とした、ミニレクチャーがメインのゆるやかな茶会。
もう片方は、長年習っている稽古場が主催の本格的なもの。
それぞれに同席した友人達に共通するのは、「お茶を習うのは二の足を踏むけれど、茶会は参加してみたい」という思いでした。
前者に参加した友人は、「お茶は大好きだから、作法に縛られずに自由に飲みたい」といい、後者にここ数年毎年共に参加している友人は、
「稽古に通うのは敷居が高いけど、伝統工芸品など日本の美しいものに触れるのは楽しい」といいます。
確かに、細かいルールは茶の湯が敬遠される要因でもあり、習う者にとっても煩わしい一面でもあるのは否めません。
けれど、道路交通法という規則があるから人も車もスムーズに流れているし、学生服という制約があるから毎朝の服選びが不要になるどころか、かえって銘々の個性が浮き彫りになるのです。
その昔、「自分の好きなテレビゲームを茶会で表現するとしたら、菓子はこんなんで、茶室のしつらいはあんなんで…」と妙な妄想を膨らませた事もあります。
「縛りがあるからこその面白さがあるんだよ」と伝えたいけれど、敷居の手前に立つ友人達にそれを理解してもらうのは難しいかもしれません。
それでも、来客に不要な気を遣わせない和やかさを作るのも、亭主のおもてなし力のなせる技なのでしょう、両者とも退席する頃には、晴れやかな笑顔を見せていたので、「楽しめたみたいで、良かったな」と安心しました。