おしるこの癒し
12月10
寒い外から帰宅したら、すぐに着替えて温かい飲みものでほっとしたいですね。
生姜のぴりりとした刺激もいいけれど、疲れてひたすら甘いものが欲しい時にはお汁粉です。
京華堂利保さんの箱を開け、筍や松茸を模した、ずっしり重たい懐中最中「たけの露」を取り出します。
お湯を注ぎ、少しふやけたところを開くと、淡い小豆色の粉の中にお湯が流れ込んでいきます。
掌に抱かれた温かい椀の中には、明かりが映り込んでぴかぴかと光る餡のお池。 匙を沈め、その照りごと口に運びます。 さらさらのさらし餡が舌の上に流れ込み、そのきめ細かな粒子の一粒一粒に餡と砂糖の粒が乗っているかのような甘さ。 洋菓子のそれとは異なる風情です。
すっかり口の中が甘くなったら、ふやけた最中の皮をはむはむと噛んで香ばしさを感じます。
椀の中に篭っていた温もりは、すっかり懐の中へと移ってゆきました。
あとはぼんやり、椀に残った粒子の波跡を眺める、冬のひと休み。