伝統産業の未来と課題
3月27
存在は知っていたけど、いつも素通りしていた施設はありませんか?例えばオフィスビルに挟まれた「京都伝統工芸館」。
安価で気軽に使える大量生産品とは違い、伝統工芸品は作品の作り手と消費者の相互の感性や好み、環境や経済事情の合致など、実際に購入に至るまでのハードルがよりシビアです。
いくら貴重で優れた技術で作られたものであっても、惹きつけられるようなデザイン力が無ければ人の心を動かす事はできないし、既製品との品質の違いは、ただ展示しているだけでは伝わりません。
また、次世代の担い手が不足するのも、収入面あるいは業界によっては体力面での不安が大きな要因となっています。
展示されていた若手作家の作品は、家に置きたくなるような現代生活を意識した物が多く、その創意工夫がこれから高まる海外からの需要への足掛かりとなる事を願います。
この日は漆芸と金工芸、金属工芸、仏像彫刻の実演作業中で、繊繊なアクセサリーを製作している女性職人さんとお話しました。
「壊れてしまった髪留めでも、ちょっと直せばまた使えたりするんですよ」
「片方無くしたけど捨てられないイヤリングを、似たデザインでもう一つ作ってもらえたりするんですか?」
入場の際に、次回無料で入館できるチケットを頂いたので、再訪の際には、職人さんに話したい事や相談したい事を仕込んでお邪魔したいと思います。