声援より行動で支援する
平成女鉾が約10年ぶりに建てられる(※10/2で終了)と聞いて、夜にロームシアター京都の中庭へ赴くと、提燈の淡い灯りを携えた女鉾が雨の中でしっとりと佇んでいました。
新しいグッズも販売されており、平安女鉾清音会の20周年記念冊子を買うと、女鉾に登る事ができるとのこと。
その冊子を持って翌日の昼間に再び訪れると、前日とはうって変わり、お囃子が始まるとたくさんの老若男女がどことなく集まり始め、その音色はシアターの反対側のテラスでくつろいでいる人々の耳も楽しませているようでした。
赤い鼻緒の可愛らしい下駄が揃えられているのを横目に、急な階段を上って、いざ女鉾の内部へ(もちろん男性も登れるとのこと)。
豪華な装飾品こそありませんし、骨組みも他の鉾から借りたりしているそうですが、美しい紫の浴衣を着た女性達に色々と質問をしたり、正面の椅子に座らせてもらったりできました。囃子方が鉾の縁に腰かけて奏でる際には、前に横たわる頑丈な柱と自分を命綱で繋ぐのだそうです。
これが祇園祭宵山のピーク時の鉾であれば、こんなにゆっくりとはできません。他の人々と数珠つなぎのまま慌ただしく中を拝見しては、まるでところてんの様に出て行くのが関の山です。
更に正面から外の景色を眺めると、目の前に見える二階のテラス席に見覚えある人影が。それは、京都を舞台にした刑事ドラマでお馴染みの俳優さん(名前は伏せておきますね)が読書している姿なのでした。
女鉾へは結局夜と昼の二回も足を運ぶ事になりましたが、ちょっと得した気分も味わえました。
大船鉾が復活を果たし、鷹山や布袋山にもその機運が高まりつつあるなか、復興では無く新設という形で20年もの年月の間灯を絶やさなかった平成女鉾。
平成女鉾の歩みは、日本の女性の社会進出が目覚ましくなってきた時代の流れと共にありました。この先どんな姿を見せてくれるでしょうか。
インターネット上で情報拡散、という応援の仕方もありますが、無料の催しであってもグッズを買う等して何かしらの小銭くらいは落としていくのが本当の支援だと思っているので、オリジナル手ぬぐいも買う事にしました。