e-kyoto「一言コラム」

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サブカルチャーから古典芸能に還る

8月8

DQ 伝統芸能からサブカルチャーまで、あらゆる日本文化の側面に触れていたいと思っています。
この夏、久々にチケットを買ったクラシックコンサートのテーマは、なんと「ドラゴンクエスト」!日本を代表するRPGゲームの一つです。
中でも、「ドラゴンクエストⅣ」は自分が初めて遊んだRPGであり、大人になってからその脚本の深さを再認識した事もあって、京都コンサートホールへと足が向かいました。
会場には一見クラシックとは無縁に見える若い学生の姿からお孫連れのお年寄りや親子、自転車で乗り付けて来たおばさんまで見受けられ、「この人達は皆同じゲームのプレイヤーなのだろうか…」と思わず周囲を見回してしまいました。
自ら「レベル85」と、はつらつと語るすぎやまこういちさんは、ドラクエ以外の楽曲でも広く知られた作曲家ですが、元来無類のゲーム好きで音楽は独学で学び、様々な楽器の音色を複雑に組み合わせて紡ぎ上げた音楽を、3和音のみという当時のゲームの制約の中で編み直した事は、ゲーム・音楽どちらの業界にとっても「神業」だった事でしょう。
そんな予備知識を無しにしても、これまでモニター画面からだけで耳にしていた音楽が、どんな楽器で奏でられ、どのパートがどんな風に立ち上がり、重なりあっているのかを視覚的に、立体的に捉えることができるのは新鮮でした。
クラシック音楽は学校や街角で、またスピーカーを通しても聴く事ができますが、自分でお金を払ってオーケストラを観賞する人は、大多数では無いのではないでしょうか。
でもそんな人達をも会場に足を運ばせるサブカルチャーの威力。
ゲームやアニメ作品の魅力を底上げしてきた音楽に魅せられて楽器を手に取り、学園祭や動画サイトでその成果を発表した事があるという人も多いでしょう。
親が古典音楽を聴けば子供の耳にも入り、読書をすれば子供が本を手に取る機会も増えるように、文化が次世代へと伝わっていくためには、家族や身近な人々がきっかけの第一歩を作っていくんですね。

2016年8月08日 | 芸能・アート

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