花紅柳緑
4月5
春爛漫。先週土曜の京都は絶好のお花見日和でした。翌日曜日も雨は最小限に留まってくれて、桜は今も元気に咲き続けてくれているようです。
それにしても桜と同じだけ人がいます。
それぞれの方の地元にもきっと桜の美しいところはあるのでしょうが、わざわざこんな小さな古都に足を運んで観に来られるのは、やはり花の背景となる景色や建造物の趣によるのでしょう。
関東の方は「地元の桜まつりもお祭りの様で楽しいけれど、京都のしっとり感とは全く逆」とのこと。この「しっとり感」に妙に納得してしまいました。
まだ今年は桜並木を車窓からでしか観ていないので、ゆっくりと花を愛でられていないと嘆いていたら、ある町家の床の間で出逢えました。
これは山桜なのでしょうか、町中で一斉にふんわりと咲く染井吉野とは対照的で、枝ぶりがごつごつと野趣そのもの。
たった一枝なのに桜ってこんなに力強いものだったかと、薄明かりの中で吸い込まれるように眺めてしまいました。
掛け軸の字は「柳緑花紅(やなぎはみどり はなはくれない)」でした。
「花紅柳緑」を転じたもので、「自然のあらゆるものがそのままで真実を具現しているさま」を表しているそうです。
もう一つの桜は、この中にありました。