「京町家ちおん舎」
7月13
ガラスの壺から奏でられる鈴虫の声に招き入れられたのは、三条衣棚を上がったところにある「ちおん舎」。
大店の商家の佇まいを色濃く残す京町家は、すっかり夏のしつらいになっていて、足裏にひんやりと感じる網代や庭から簀戸(すど)を抜ける風、そして眩しい日光を遮る薄暗さが心地良い。
広大な敷地の中には、多目的に使用できる広間や露地や水屋を有する4畳半の茶室、大きなまな板のあるキッチン等様々なスペースがあり、同じ日にそれぞれの空間で複数の催しが行なわれていても、互いを邪魔しない許容量があります。
京町家をイベントスペースとして開放している所はたくさんありますが、特筆すべきはここの催し内容のユニークさでしょうか。
最近の予定だけでも落語会にご近所さんが集うヨガのほか、「重ね煮」という調理法の料理教室や、氷水で点てたお抹茶で楽しむお茶席体験、「星ソムリエ講座」などなど、なんだかどれもひとクセあって気になるものばかり。
防空壕の跡が床から覗ける「J-spiritギャラリー」では、メイドインジャパンの作品を展示販売していて、この大きな京町家全体が、作家(アーティスト・デザイナー)や作り手(メーカー・職人)を育てる家なのですね。
ちなみに、この辺りは祇園祭の後祭の中心地。最も近くには役行者山があります。