八幡・背割堤の桜と「石清水灯燎華」
今年の桜見物第二弾は、八幡市へ出かけました。
人もまばらになった夕方の背割堤で、鶯のさえずりが聞こえる桜のトンネルをのんびり歩いた後は、石清水八幡宮の夜間特別参拝「石清水灯燎華」(5日で終了)へ。
昼間に雨が降った日曜日の夜だったので、こちらも人影が少なく、暗闇に白く浮かぶ上がる桜と燈篭が本殿へと導きます。
お祓いと巫女さんによるお神楽を受け、神職さんと共に周囲も巡りながら二棟の建物を前後に連結させた「八幡造」の社殿についての説明に耳を傾けます。
社殿を囲む瑞籬(みずがき)の欄間彫刻は、日光東照宮でもその腕を発揮した左甚五郎一派の作と伝えられており、その中のカマキリは、祇園祭の「蟷螂山」のカマキリのモデルになったのだとか。
また当宮は「八幡山」など祇園祭との縁も多く、町衆と神職が相互に参詣するなどの交流があるそうです。
社殿内部は他にも、雨漏り対策として織田信長公が寄進したという「黄金の雨樋」(現実的な寄附ですね!)や、現在の八幡市駅前にあったという神宮寺・大乗院(元寇に際して祈祷が行なわれ、神風を吹かせたとも)から戊辰戦争の兵火を逃れて石清水八幡宮に運び込まれたという寺宝の一つ「篝火御影」の掛け軸(8年前に発見されたばかり。臨戦態勢ばっちり僧姿の八幡神!)など、武運の神として日本を代表する為政者達からの信仰が形となって現れていました。
石清水八幡宮の「男山桜まつり」は今月末まで開催されており、昇殿参拝は大晦日まで可能ですが、12日までは一日に5回行なわれています。