現代の時代劇
「この映画、面白かったよ」。との評判を聞いて、「超高速!参勤交代」を観て来ました。
思わずニヤリとしてしまうタイトルに違わず、大いに笑わせて頂きました。
京都でもロケが行われているので、時代劇でお馴染みの八幡市・流れ橋や糺の森、金戒光明寺など、どこかで見た景色に出会います。現代風だけど、展開は王道な時代劇。
最も心に残った「政(まつりごと)」をおろそかにして、いわきの土を殺すでないぞ。」の一言。
ただの歴史エンタ-テイメント映画では無い事を物語っています(ちなみに最も笑ったのは”山びこの術”)。
以前「時代劇の衰退」という言葉をよく耳にした記憶がありますが、現在でも歴史物のドラマや映画の新作は出ているので、「果たして本当にそうなのだろうか?」と思ってしまいました。
一方、「5万回斬られた男」福本清三氏が初主演を務める「太秦ライムライト」(関西先行上映中)も観てみました。
殺陣(たて)の稽古も空しくリストラされる大部屋俳優達に取って代わり、CGで後から合成される刀の刃先。
「時代劇の斜陽」というより、製作のプロセスや訴求の仕方が変化してきているのかもしれません。
現代人にも通じるストーリーやアイデアで、幅広い年齢層に受け入れられる時代劇に、時代考証や殺陣など、日本映画ならではの歴史や文化の厚みを基盤とする時代劇。
これらを評価できる程、昔ながらの時代劇を観てきた訳ではありませんが、個人的にはどちらも支持したいというのが正直な感想です。
ともあれ、上映前の腹ごしらえには、「京極 かねよ」で鰻丼を食べて行くのが我が家の定番になりつつあります。
映画全盛期だった昭和の京極通り界隈では、そんな人もたくさんいたのでしょうね。