法然院・春の特別公開
4月3
寺社にて大勢の人を前に緊張した面持ちで説明をしている学生ガイドさんの姿を見ていると、自分の大学生時代を思い出して微笑ましくなります。
死に際に阿弥陀仏が迎えに来ることを「来迎」と浄土宗の言葉で言いますが、よく説明ガイドの打ち上げで酔いつぶれている同級生を「来迎中~」と言ってからかっていたものでした。
法然院の春季特別公開で、「当麻曼荼羅図」を前にした学生ガイドさんの話を聞いていると、「来迎」にも死者の徳の積み具合によってランクがあり、徳を積んできた者には阿弥陀仏や諸菩薩が紫雲に乗って音楽を奏でながら賑やかに迎えに来てくれるのですが、ランクが低くなるにつれてお迎えの人数がどんどん少なくなり、最低の場合になると阿弥陀仏はおろか誰も来られず、なんと蓮の葉一枚だけが迎えに来るそうです(それでもお迎えして下さるのですね)。しかも成仏するまでに10万年もかかるのだとか。
いつか自分が天に召される時には蓮の葉の上でポツン…と寂しい思いをしないように、今から一日一善、徳を積んでおきたいものですね。