寂光院・新しい本堂
新緑の大原。寂光院では7日まで、7年前の放火による火災で真っ黒に炭化した旧本尊を公開されていました。
何百年もの歴史を焼き尽くす炎を前に、ご住職の心中はどのようなものだったでしょう。思わず目頭が熱くなりました。
炎上する本堂の中、本尊の地蔵菩薩だけが全身を焦がしたまま毅然と屹立していたそうです。
「信仰は、形ではない。これしきのことで、仏の慈悲は失われたりはしない。」自らの身をもって示しているかのようにも見えます。
この放火事件は、この9日をもって時効を迎えました。おそらく仏という存在は、その犯人の行いさえも許してしまうのでしょう。