e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

花は一発勝負

2月1

hana  
画像を載せるのもお恥ずかしいのですが、お茶の稽古場で、隙間時間にお花も教えていただけることになりました。
和花は近所で買えないし、終わったら持って帰って家で飾れるので嬉しいですね。
華道はこれまで単発的に体験した程度なので、ど素人の挑戦です。

今回の花器は竹の花入を選びました。
竹の花入の場合、花を上からではなく、
間の窓から差し入れます。
入れる本数は偶数が基本。
正面から鑑賞するものなので、正面の鑑賞者に向かってくるような感じにいけます。
花器の縁周り付近に花がまとわりつかないよう、外に浮いているかのようにいけるそうです。

指先で枝に触れ、その造形に沿わせていると、
立体化した墨文字をなぞっているような感覚になります。蝋梅と椿が、もしかしたら
立てた弓と羽根みたいに決まるかも…と進めていましたが、最後の最後で鋏で茎を切りすぎて、
縦にまっすぐだった枝が横にくるりんと回転して戻らなくなってしまいました。

完成したら、中筒の淵ぎりぎりまで水を満たします。
そうすると、もうこれ以上手が入れられなくなります。
一発勝負なのも書画と似ている気がします。
最後に全体に霧吹きで水打ちして瑞々しく。

問題は、家には和花をいけられる花器が無い!
さて、どこで買おうかな?

向かい風に跳ぶ

1月25

hikou 石清水八幡宮をお参りした後、ケーブルを下車してから徒歩4分ほどで、航空安全と航空事業の発展を願う飛行神社という、ユニークな神社に辿り着きます。
ギリシャ神殿のような拝殿の蒼いステンドグラスにはトビウオが羽ばたき、現在放送中の朝ドラでは、主人公が航空の専門学校を受験する際にこちらの合格守りが登場しました。

大正4年に自邸内に私財を投じて創建したのが、飛行原理を発見し「カラス型飛行器」で飛行に成功した二宮忠八氏。
人の乗れる「玉虫型飛行器」を考案するも日清戦争勃発のため出兵、軍での飛行実験も却下されてしまいました。
資金を集めながら自力で研究を進めるも、明治36年にアメリカのライト兄弟が飛行機を完成し飛行に成功した事を知り、忠八は無念の涙を流しハンマーで製作中の飛行器を壊したといいます。

時勢と国の支援不足によって大きな契機を失う。
我が国が何度も直面してきたはずの問題です。

一方、資料館前には、操縦桿を操作しながら空の走行を楽しめるシュミレーターゲーム機が。
おそらく玄人向きゲームなのでどう操作していいのか分からず何度も海へドボン。
館内はおびただしい数の飛行機やロケット、ドローンの模型や、その関連の品が待機中です。
戦時中の痛ましい記憶も例外ではありません。

飛行機があしらわれたお守りは我が子へ。
海外にルーツのあるおともだちの分も受けました。

奇しくも海外で飛行機事故が報じられた時候。
今後おともだちが祖父母に会うため空を渡るときにも、守ってくださいますように。

石清水八幡宮の小正月

1月18

8man 先日は小正月だったので、家の松飾りを外して石清水八幡宮へ納めに行くことにしました。
いつもなら氏神さんに持って行くところですが、今回は石清水八幡宮参道ケーブルに乗ることも目的の一つ。
狙い通り子供達は大喜び。太いワイヤーでゆっくりと山の傾斜を登る様を大きな窓から観るため、行き交う車両のどちらの車掌台周りもたくさんのちびっこでいっぱい。

下車後もしばらく山中を歩いたので、境内の茶店で虫養いしてからお詣り。
参拝者が携える八幡御神矢の白羽が清々しく、再びお正月気分が高揚します。
ご祈祷の度に、神楽を舞う巫女さんはくるくるくるくると忙しく回転中。お疲れさまでございます。
本殿前にも巨大な御神矢がそびえ立つのが恒例の光景、お神酒の樽群の中にはウイスキー樽も。

国宝の社殿なども見どころなのですが、境内に点在する楠木正成の楠といった大木の幹や根の荒々しい造形に心惹かれました。
注連縄が貼られた樹の肌に手をそっと手を当てていると、あちこちの樹皮の隙間に硬貨が挟まっているのに気が付きました。
参拝者が願いを込めての行為なのかもしれませんが、ご神木を人間に例えて見てみたら、なんとも痛々しい気持ちにならないでしょうか。

最後はお善哉を食べて身体を温め、厄除けの念押しとしました。
1月29日には鬼やらい神事、2月1日には湯立神事も行われます。

ホテルや旅館に飽きたなら

1月11

yado
京都旅行はホテルや旅館でしっぽりと…が定番となっている人は、その古都イメージを覆すお部屋に泊まって新しい刺激をどうぞ。
洛北に3カ所展開する「宿ya」の中で、今回宿泊したのは修学院の「宿yaロッジ」。
一見店舗かと間違える建物の2階に上がり、鍵で中に入ると…部屋のあちこちに鹿や鰐、鳥、熊の剥製に、角が何本もぶら下がったシャンデリアという強烈な個性の空間が広がっていました。
イカツイご趣味かと思いきや、天蓋付きの大きなベッドの傍らにギター、大画面のテレビの下に大量のCDとデッキ、間接照明にバーカウンター(調理器具あり)、照明が変えられる広いバスルームなど、ステイそのものを楽しむ要素がいっぱいで、内装も細部にわたってこだわりと遊び心が満載。
トイレでは、サメの頭の剥製の下で用を足す度に優雅な音楽が流れます。

小さな子供連れでの利用は、添い寝であれば大人の料金のみ。
ゲストブックには国内外からオーナーに対する感謝や「また来たい」という言葉がびっしりとしたためられ、受験のために宿泊された学生さんもいたようです。
先に泊まった事のある身内の家族連れは、家の建て替えの際に向かいのファミリータイプの部屋を利用したのですが、なんと各ベッドが監獄風で鉄格子が入っていたとのこと。
さぞかし子供達はエキサイトしたことでしょう。
オーナーの方曰く、そちらの部屋は3月からペット連れで泊まれるようにされるとのことで、現在公式サイトからはその部屋の様子が見られなくなってしまいましたが、興味のある方は直接問い合わせてみてはいかがでしょうか。

2023年1月11日 | 未分類 | No Comments »

うさぎの宇治で年明け

12月28

manpuku 萬福寺にて『黄檗ランタンフェスティバル』が2023年の1月末まで開催されています。
訪れた時は平日の晩だったので、境内も駐車場もとても空いていました。
小籠包や綿菓子などの軽食やキラキラ小物を販売する屋台と即席の座席、日本の縁日とはひと味違うちょい派手な遊具もご愛敬。

中国風のBGMと赤、黄、紫…のカラフルなランタンに溢れた境内を回遊していると、時折色の無い光と闇だけで浮かび上がる伽藍を抜ける瞬間もあり、本来の禅宗寺院としての厳かさが際立ちます。

昼間訪れた人は「中華街みたいだった」そうですよ。
年が明けて華やかな新春風情を楽しむのもいいかもしれませんね。(動画はこちら)

さて、年末の大河ドラマ最終回で承久の乱の地の一つとして記憶に新しい「宇治」。
宇治神社には、祭神「菟道稚郎子命(うじのわきいらつこのみこと)」が河内の国からこの地に向かう道中を一羽の兎が振り返りながら導いたという故事にちなんでうさぎをモチーフにした授与品があります。
世界遺産宇治上神社にも「うさぎおみくじ」があるのだとか。

朝は卯年のお参り、昼は宇治茶を楽しみ、夜は萬福寺でそぞろ歩きと、そんな新年のスタートを宇治でを切るのはいかがでしょうか。

ご飯の脇の「ご馳走」

12月21

siba9その昔、北海道出身の友達が「京都の冬は寒い」と呟いていました。
大阪から京都へ通勤する友人達は、京阪電車に乗る人は京都の寒さを「枚方を過ぎて樟葉や橋本駅辺りから空気が変わると思う」。阪急電車の人は「大山崎から感じる」とか。

きっとそんな寒さが美味しくするのが京都のお漬物。
市内中心部より更に気温の低い大原の「志ば久」さんのお漬物を色々頂き、毎日のご飯に添えて楽しんでいます。
テレビ番組でタモリさんが称賛していたこともあり、ずっと買いに行きたいと思っていたのです。
知人もそれでお店を訪れて以来「誰に差し上げても喜ばれるので、京都土産の定番にしている」のだそうです。

「きざみ赤志ば」にはきゅうりが入っていないようで、「きざみ青志ば」の方には入っているようですね。
「慣れ親しんだ柴漬けの味と何か違うな?なんだろな。何か違うんだろうな?」と頭で巡らせながらもいつの間にか何度もおかわりしてしまうのです。
袋の裏側の原材料名を見ても、たった一行で終わるほどシンプルな材料で、素材の味が活きた自然な味わいが、つい次のお箸を呼ぶのでしょう。

ちなみに最も気に入ったのは、大粒の国産らっきょうを、大原の自家農園で栽培された赤しそでくるんだ、ちょっと甘めでシャキシャキした歯ざわりの「しそ巻らっきょう」です!

2022年12月21日 | お店, グルメ | No Comments »

「カワイイ」のチカラ。

12月14

kitty
全国巡回中の「サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史」。京セラ美術館での終了間際に滑り込み!

子供向けというより、マイメロディやキキララ、ハンギョドンなど、昔からサンリオのキャラクターのグッズを愛用してきた元・乙女たちが懐かしさに胸をときめかせるような内容でした。
巨大なキティちゃんと一緒に写真を撮ったり、映像アトラクションなどは親子で楽しみましたが、貴重なミニチュアやオブジェ等は触れないよう注意しないわけにはいかず、娘はちょっと寂しそう。
展示物も子供の背丈よりも高めの位置で、子供たちにとってはたくさんの大人から垣間見る感じになり、早く外に出たがってしまいました。
サンリオの歴史やキャラクターデザインについてもっと詳しく見たかったのですが、やはり幼子とよりも大人同士で行った方が良かったのかもしれませんね。

手塚治虫や石ノ森章太郎、水森亜土など著名な作家が関わっていた事も初めて知り、マイメロディの原画がキティのデザインの黄金比率が見れたのが嬉しい。
キティちゃんの両目の間隔、頭部に対する胴体の長さ。どれかが崩れると違和感を感じてしまう、考え抜かれた造形は、日本中の女子のみならず、世界のセレブや男性までも魅了し続けていきます。

「母」と言う文字が含まれている「苺」。
ただの「もの」がいちご柄になるだけで、人々を癒してくれる「カワイイ」になる。
サンリオを象徴するいちご柄にデザインの力をみました。

2022年12月14日 | 芸能・アート | No Comments »

「書きたいもの」を書く

12月7

hude
年賀状、いつもどうされていますか?
挨拶文や礼状、熨斗紙、金封、結婚式などの芳名録など、「こんな時に綺麗な字で書けたら…」と思った人は多いはず。
でも、定期的に書道教室に通うとなると、資金や時間の工面の敷居が高い。
そんな時目に留まったのが、「aotake」の2階座敷で行われている「ふで文字教室」でした。

たまたま常連の生徒さんと入れ違いで、風月柏葉先生とマンツーマンだったので、「自分の名前をもっとこなれた感じに書きたいので、お手本を書いて欲しい」とリクエストさせてもらいました。
「ここにスペースを空けて、風がよく通るように…」「“口”を書くときは、左の縦線が長く、下の横線は少し外に出るようにします」。
「自分の書きたいもの」だから楽しくなり、調子に乗って家族分の名前や、礼状に記すお茶の先生の名前まで書いてもらい、実に様々な見本が出来上がりました。
調子に乗って、「『謹賀新年』や『賀正』以外に、お正月にふさわしい気の利いた言葉が知りたい」とお願いすると、先生が本の中から一緒に探して下さいました。

『初空』。文字通り元旦の空を指す言葉ですが、シンプルな清々しさを感じたので、来年の我が家の年賀状に採用することにしました。

お稽古の後は、先生と美味しい日本茶とお菓子で歓談。
こちらがニワカ生徒なのに、「写真って、どうすればもっと写せるの??」ときさくに話して下さる先生でした。
「ふで文字教室」は日程が限られていますが、興味のある方は相談されてみてはいかがでしょうか。

出張撮影カメラマンチーム

11月30

amico ぼちぼち観光地でも外国人の方がカメラマンと共に記念撮影をする姿が再び見られるようになってきました。
四季がある日本では紅葉の美しい場所は各地にありますが、それでも京都を撮影地に選ぶのは、背景に映える歴史的・文化的建造物があることが大きいかもしれません。

実は、先日の七五三には後日談があります。
ネットのスキルシェアサービス経由で依頼をしていた出張カメラマンが当月になって手違いで来れなくなってしまい、困り果てていたところを知人から口コミ情報をもらいました。
amico」という関西の出張撮影カメラマンのチームです。
ダメもとで公式LINEに問い合わせしてみるとすぐに返信があり、こちらが急を要していたためやり取りは深夜に及びましたが話はサクサクと進み、繁忙期にも関わらずなんと翌日には奇跡的に出張カメラマンを手配する事ができました。

料金は1時間で2万円(必要に応じて要交通費・データ郵送費)で、目つぶりやミスショット等を除き、明るさ等を調整の上で100枚以上を約1~2週間以内に納品(ギガファイル便での納品は無料)、事前ヒアリングで希望のショットも相談できました。
(※前回のコラムで使用した画像は素人撮影のものです)

余分なオプションの無いシンプルな内容と、自前の衣裳で臨場感ある光景を残したかった我が家にとってはありがたいサービスでした。

もちろん、フォトスタジオを利用して思い切り変身を楽しむのもいい思い出だと思います。
写真館で襟を正して撮影した家族写真も、毎年年賀状で見る度にその家族の変化を知る事ができていいものです。
今回は、こんなサービスもあるよ、というお話です。

七五三、衣裳にこだわってみた。

11月23

753 11月15日の「七五三の日」は、「きものの日」にも制定されています。
私事ですが、先日子供達の七五三をお祝いしました。

娘の着物は、かつて赤ん坊だった私のお宮参りのために祖母が仕立てておいてくれたものに、母が「荒川 さんび」の被布を合わせてくれました。
昨年は姪が着て七五三詣り、今回はうちの娘、そして数年後にはもう一人の姪が袖を通す事になるでしょう。

それに見合うよう、息子の衣裳にはこだわりたいと思い、京都らしさのある貸衣裳を探していました。
甥が着ていた兜の柄がはんなりと上品だった事を思い出し尋ねると、二条城の近くで40年続く「お衣裳さわらぎ」のものとのこと。
そこで当時まだ製作中だったある羽織に一目惚れ。
着物としては着れなくなった古い着物を裁断しパッチワークのように繋いで、京都の職人の手で染められた正絹の古生地の反物に貼り合わせて蘇らせたという一点ものでした。

七五三の祝い方は人それぞれ。
賑わう有名神社や写真館で家族撮影をする人もいれば、公園に行く時の様にリュックを背負いシンプルに氏神さんに手を合わせたという兄弟もおられます。
蝶ネクタイの小さな男の子が、社殿の前ではにかみながら両手でピースサインをする姿もとっても可愛らしい。
その場に居合わせた人々の表情もほころびますね。

今回、写真館等のセットプランではなく、カメラマンもお食事もそれぞれ個別に手配したので、それなりの費用がかかりましたが、両祖父母達も含めて顔を合わせる機会はなかなか無いもの。成長した子供達が結婚式を挙げる頃にはもっと高齢になっている事を思うと、手間暇をかけた価値があったかな、と思っています。

ちなみに、京都府外でも、着物一式のみでもレンタルは可能(返送費用は自己負担)のようです。
レンタルするなら、京都の衣裳でしたい!という方はいかがでしょうか。

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