e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

楽しみ有り。

5月3

koyomi 前回に引き続き、織田有楽斎ゆかりの正伝永源院に向かいました。
現在特別公開中の建仁寺の塔頭で、京都文化博物館の織田有楽斎展と相互に拝観の割引を実施中です。
門を潜ってすぐ、有楽斎の妻や細川家歴代の墓、福島正則家臣の供養塔が目に入ります。

有楽斎が創作した国宝茶室「如庵」は愛知県の有楽苑に移築されていますが、平成8年からこちらに建つ「正伝如庵」は、本歌と瓜二つとのこと。
躙口から内部を覗くと、千利休の息が詰まるような薄暗い茶室とは事なり、窓が多くて広いので明るく感じます。
「こちらの腰張りは「暦張り」と言いまして..」と昔ガイドをした頃のことを思い出しました。
彼の独自の構想が光るデザインであるとともに、細かく記された内容は当時の風俗を知る上でも良い資料となるのかもしれません。

庭園はつつじが咲き、新緑のもみじが青々と既に初夏の装い。
細川護熙氏が手掛けた襖絵は、どれも静謐な景色です。山楽が納めた「蓮鷺図」の襖絵と同じ自然風景の中の静けさを求めたのかもしれません。
2021年に約100年ぶりに戻されたとい紹鴎供養塔が中央に聳え立ち、ふもとには純白の百合の花が供えられていました。

特別公開期間中、拝観を休止する期間がありますので、公式サイトをご確認の上お出かけください。
『文藝春秋』五月特別号には、織田有楽斎や正伝永源院の特集が収録されています。

2023年5月03日 | お寺, 歴史, 観光スポット

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