「京都ぎらい」
5月10
大型連休の間、京都を訪れた方々の感想はいかがでしたでしょうか?
この町を愛してはいるけれどで、雅やかな千年の都を謳う風潮には食傷気味。そこに現れた話題の新書「京都嫌い」を手に取られた方も多いことでしょう。
地域間による差別意識は京都に限った事では無いそうですが、そういえば自らも「あの店、和風にしてるけど東京資本やで」「京都出身なんや?京都のどのへん?」と言ってしまったことが…。
悪気無いつもりでも相手には不愉快に聞こえてしまったのだろうか、それとも自分にも井の中の蛙の如く感情が無意識に横たわっていたのだろうか、とわが身を振り返ってみたり。
京都生まれの京都育ちとはいえ、「洛中」の人間ではないためか、いわゆる京都の「田の字地区」にある古い町家を予約して取材訪問した際に、なんだか微妙な心持ちになった事も確かにありました(しかも掲載許可が下りず無駄足に終わりました…。)。
筆者の前書きにもある通り、読後の評価は分かれるかもしれませんが、これは「京都を冒涜するなんてけしからん!」と角を出すよりも、「なんだ愚痴じゃないか」と笑って楽しむものだと思います。
これまでの京都の花柳界や伝統技術を守って来たパトロンは誰か、過去と現在における鎮魂の違いなど、巷の京都本では語られてこなかった角度からの考察を確かめるべく、また京都を訪れたくなるかも?