パロディで受け継がれる琳派
11月16
話題を呼んだ「琳派からの道 神坂雪佳と山本太郎の仕事」展の「マリオ&ルイ―ジ図屏風」。
実際に観に行くと、砲弾や亀のキャラクターもゲーム画面のドット(点)で表わされていて、「Cool Japan」を売り出す日本のアニメ・ゲームイベント会場に飾れば、ファンが喜びそう!?
琳派作品でよく見られる住吉浜と青海波の合間からのぞく信号機も可愛らしくて、手ぬぐいとして製品化して欲しいとまで思ってしまうような遊び心のある扇面や茶碗の他、源氏物語の中で、猫の仕業で露わになった女三宮の姿を柏木が目撃する「若菜」の章を、赤い糸と共に描かれた猫のぬいぐるみやサッカーシューズ等の現代のモチーフに置き換えた屏風など、古典をかじった事のある人なら、尚更にやりとさせられるはず。
神坂雪佳の作品も、また、琳派のパロディと言える山本作品のいずれも、日本の古典文学や芸術への教養を持つ事で更に深い考察が楽しめる事でしょう。
もともと琳派も作家同士の師弟関係では無く、私淑、いわゆるパロディの様な形で受け継がれてきたもの。
今年に入ってから、そこここで開催されているマジメな琳派イベントでお腹いっぱい気味な人には、ちょっと肩の力を抜いて楽しんで頂きたいと思います。