e-kyoto「一言コラム」

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京町家で「粋人」を育てる「常の会」

7月6
「常の会」

「常の会」

 身内の内祝いの扇子を買いに、大西常商店の暖簾を初めて潜りました。
美しく調えられた町家の一角に京都らしい色遣いの扇子が咲き並び、品の良さが漂います。
意外に手頃な値段だったので驚きましたが、ここが製造卸のお店だからでしょうか。
もう一つの来店目的が、こちらで初開催された文化イベント「常の会」。
茶室「常扇庵」では、お茶席に不慣れな学生さんも、銘々に浴衣姿でお茶を楽しんでいました。
2階の広間では、能楽師観世流シテ方・田茂井廣道さんが、昼の部では祇園祭の山鉾に関する演目を、夜の部では扇子にちなんで構成された「一福能」を。
能としては珍しくアンコールとして「土蜘蛛」も演じて下さり、盛大に投げられた蜘蛛の糸を観客も喜び被ったまま楽しんでいました。
会が終了した後も多くの人が残り、能楽師さん達のユーモラスで分かりやすいお能と扇、面に関するお話に耳を傾けていました。
こんなに盛りだくさんな内容なのに、参加費2000円で本当にいいんでしょうか?
謡をたしなんでいたという同商店の創業者・大西常次郎さんは、近所の人をこの家集め、毎晩サロンの様に楽しんでいたといいます。
そんな「粋人」が、今後も生まれていきますように。
次回の「常の会」は12月の中旬との事ですが、祇園祭に向けても様々な催しが予定されています。詳しくはお店のフェイスブックをご覧下さい。

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