e-kyoto「一言コラム」

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能楽・金剛流と宝生流

7月14

noh 京都を拠点に「龍門之会」を主宰する能楽・金剛流の若宗家・金剛龍謹さんと、東京で「和の会」を主宰する宝生流宗家・宝生和英さんの、流派を越えた合同演能会がありました。
それぞれ「謡宝生(うたいほうしょう)」「舞金剛(まいこんごう)」と呼ばれるのにふさわしい演目で、鍛え上げられた若い二人の声は鋼の様に美しく、橋掛かりの揚幕の奥から観客を魅了していた様に思います。
日本の伝統文化や芸能が外国人や日本の若者にも受け入れられているとはいえ、芝居やライブを観に行く感覚で能を観に行くという人はまだ十分に多いとは言えず、普段から接点の無い人にとっては今なお敷居が高く感じている人も多いかもしれません。
しかしながら不思議なもので、突発的に表れて一世を風靡す様な流行は、数年経てば忘れ去られてしまうのに、一見重くてとっつきにくい印象の伝統芸能の世界は、何百年という年月を生き延びているのも事実。
その違いがどこにあるのかと考えてみた時に、その文化を「守りたい」と願う人々が演じる側にも観賞する側もあるという事ではないか、と思いました。
そのどちら側の人間も、世代交代を繰り返していきます。変えてはいけないこと、進化した方が良いことを模索しながら、若い二人はこの先も新たな境地と支持者を開拓していかなくてはなりません。
これから先も、金剛流と宝生流のコラボレーションに注目していきましょう!
能に触れてみる一つの入口として、まずは能面・能装束講座で能楽堂の中に入ってみる事から始めてみてはいかがでしょう?
能「小鍛冶」に登場する刀匠・三条小鍛冶宗近と共に名剣「小狐丸」を打った「相槌稲荷」は、京都の三条粟田口にあり、また、祇園祭の長刀鉾の先に付けられ疫病邪悪を祓う長刀も、宗近の作と伝わるそうです。

2014年7月14日 | 芸能・アート

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