e-kyoto「一言コラム」

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伊藤若冲と宝蔵寺

2月12

hozo 若者で賑わう“裏寺”エリアにひっそりと佇む宝蔵寺は、江戸中期の絵師・伊藤若冲を輩出した伊藤家の菩提寺です。
若冲自身の墓は伏見区の石峰寺にあるのですが、宝蔵寺には若冲の父母や弟、親族ら伊藤家先祖の墓石が4基あり、現在は無縁墓となっていて、欠損や剥落等が進み、倒壊の恐れがあるそうです。
当寺では伊藤家の墓石の保存と維持・継承のための「若冲応援団」が結成され、寄付を募る事になりました。
その宝蔵寺で、今年に入って若冲初期の作と確認された「竹に雄鶏図」が12日まで公開されています。
伊藤家から贈られた若冲筆の「髑髏(どくろ)図」のほか、版木の継ぎ目が分からない程に精緻で広大な墨摺「当麻曼荼羅」、円山応挙の孫・円山応震筆の「山水花鳥人物図巻」などの展示品の中に、「処冲」という人物の水墨画「蟹図」がありました。「若冲と関わりがあるとされる」とだけ書かれていましたが、この人は一体誰!?
今のところ若冲に妻子や弟子がいるという話は聞いた事はありませんし、若冲が描いた水墨画「蟹図」はもっと荒々しい筆致です。ですが、四代目伊藤源左衛門が「若冲居士」と号するようになったのは、彼が両親の墓を宝蔵寺に建てた翌年のこと。
2015年に伊藤若冲生誕300年を迎えるにあたって、まだまだ新たな発見があるかもしれませんね。

2014年2月12日 | お寺, 芸能・アート

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